大きく拡がったメダカの輪
―第3回全国めだかシンポジウム速報―
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渡部 瞭(会員) |
去る3月23日土曜日、鵠沼東の藤沢市民会館小ホールにおいて、第3回全国めだかシンポジウムが、延べ500人を越す参会者を得て盛大に開催された。これは高知県に事務局を置く日本めだかトラスト協会が主催する催しで、藤沢での主管団体は、小学校教員の研究団体「藤沢メダカの学校をつくる会」を中心とした行政当局や一般市民を含むプロジェクト・チーム。
当日のプログラムは、午前に「神奈川メダカサミット」と題する県内7地域でメダカに関する取り組みに関わる人々の活動報告。トリを務めたのは鵠沼公民館の事業「鵠っ子めだかの学校」で学んだ生徒たちの発表だった。午後は「全国めだかシンポジウム」で、冒頭にメダカに関する作文コンクールとフォトコンテスト入賞者への授賞式に引き続き、三浦市にある国際協力事業団(JICA)神奈川国際水産研修センターの紹介と、そこで学ぶ7か国8名の研修生の挨拶。メインはメダカの系統分類研究の第一人者、酒泉 満 新潟大学教授の基調講演と山形から鹿児島まで全国8地域の活動報告を中心としたシンポジウム。最後に次回(2002年12月)開催地沖縄からのアピールがあった。続いて日本めだかトラスト協会の総会に移り、事業報告や今後の取り組みを採択の後、神奈川県内唯一のメダカ生息地に計画されている道路建設の再考を求める決議がなされた。一方、第1展示集会場では展示会が開かれ、夜には全国めだか交流会がもたれた。アトラクションには、湘洋中学器楽部の弦楽合奏や鵠っ子めだかの学校などの子どもたちの合唱が披露され、喝采を浴びた。和太鼓グループ「メダカ太鼓」も活躍した。
全国からのお客様を迎えるに当たり、本鵠沼駅近くのスワン洋菓子店は「メダカサブレ」を、藤沢橘通郵便局はメダカをデザインした風景印を押したたとうを作ったり、ブティックぱすてるはメダカの刺繍入りランチョンマットをヴェトナムに発注し、それぞれ記念品として好評を得た。
翌24日は池上通信機湘南工場構内の「藤沢メダカの学校池上分校」と江の島水族館の見学後、バスで小田原に向かう。県内唯一のメダカ生息地の視察、満開の桑原土手の桜を愛でながらレンゲの咲く田圃にシートを敷いて昼食の後、童謡「めだかのがっこう」発祥の地に造られた公園を訪れ、市役所では小田原市長に昨日決議されたアピールを手交した。
JICA研修生の感想。「メダカのような食糧にならない、ちっぽけな魚の絶滅が危惧されるということに、日本人はなぜこれだけ関心を寄せるのだろうか?」
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